人前で話すことがお仕事の方向けのセミナーや、テレビのコメンテーター、最近は婚活などでも聞かれるようになったのが…
メラビアンの法則!
具体的には、人は情報を受け取るとき『言語情報は7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%』だから「見た目が大切です」という話です。
他にも『3Vの法則』とか『7-38-55のルール』という言い方もありますね。
しかし、この『メラビアンの法則』の解釈を間違って使っている講師や記事が多いことをご存じですか?
今回はこの『メラビアンの法則』について、わかりやすい動画を使って解説いたします。
Contents
【メラビアンの法則】のよくあるまちがった解釈
私も初めてこの『メラビアンの法則』という言葉を聞いた時には、間違った解釈を教えられたんです。
とある有名な講師養成講座の時、先生からこう言われました。
違う機会でも、女性マナー講師がこう言い切ってました。
目の前の講師に自信満々にそう言われたら信じますよね。
なので私も、この時は「なるほどねー、人は見た目じゃないって言うけど、第一印象が悪かったら中身を見てもらう前にアウトなのね…」って思ってました。
確かに『人は見た目』で判断することは多いので、それは間違いとは言えないわけです。
ナニが間違いか…というと、『これをメラビアンの法則と言います』が間違いなのです!
メラビアンはそんな研究もしてないし、そんなことを言ってないのです。
では、どんな研究で、どんな結果だったのでしょう…。
本当の『メラビアンの法則』とは
その前に…まずメラビアンってダレ?ってところから。
フルネームは、アルバート・メラビアン。
アルメニア系アメリカ人で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学名誉教授。メラビアンは、言語によるメッセージと非言語メッセージを比較してどちらが重要か調査した結果を出版したことによって世間に知られるようになった。人間の感情やコミュニケーションに関する研究を行ってきたほか、投資の心理学や子供に与える名前の良し悪しなど一般の関心の高い事柄に関しても著書を出している。≪Wikipedia≫
そして…肝心な『メラビアンの法則』についてWikipediaにはこうあります。
この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。≪Wikipedia≫
どういうことかと言うと…
感情や態度が矛盾したメッセージを受け取った場合に、人は視覚や聴覚などの情報(約9割)に頼る傾向にある。
ということなんです。
ん?まだわかりにくい?
では、こちらの動画はどうでしょう…。
『メラビアンの法則』をわかりやすい動画で解説
※表示は4:38ですが、12秒で終わります。
この動画を見て、怒られてる気分になりますか?
言葉は「ふざけんな、この野郎、バカ野郎!」(言語情報)と怒ってますが、表情は笑ってるし、動作は面白い。(視覚情報)
その結果、、、ぜんぜん怒られてる気がしない。
同様に「私は元気です」って、うつ向き加減で陰気な顔して言われても、元気な感じはしないですよね。
こういう実験結果が出た、ということで『メラビアンの法則』とは
感情や態度が矛盾したメッセージを受け取った場合に、人は視覚や聴覚などの情報(約9割)に頼る傾向にある。
という法則なんです。
では…
メラビアンの実験とは?
Wikipediaの外部リンクにある『梶原しげる:【116】メラビアンのうそ ~「プレゼン詐欺」にご用心~』には、こうあります。
メラビアンの実験は、実験室で「好意を表わす言葉thanks、反感を示す言葉terrible、マイナスでもプラスでもない中間的な言葉please、wellといった短い言葉を、声の調子や顔の表情をプラスやマイナスに変えた時、好感、反感、どちらが強く伝わるかを測定したもの」なのです。≪梶原しげる:【116】メラビアンのうそ ~「プレゼン詐欺」にご用心~≫
また、ここに出てくるパフォーマンス博士、日大の佐藤綾子教授は、ご自身でも実験をされていて、こう書かれています。
私は1994年に大学生を被験者にして同様の実験を行っているんです。thanksを「ありがとう」pleaseを「どうぞ」wellを「どうも」と、日本語に訳し、facial(表情)はビデオ画像を提示しながらそれぞれの単語を伝える方法をとりました。
結果は言語8%、声(の調子等)32%、顔(の表情)60%でした。≪梶原しげる:【116】メラビアンのうそ ~「プレゼン詐欺」にご用心~≫
ということで…この実験結果は、一般のコミュニケーションでは参考にならない可能性が高いのです。
メラビアンの法則=人は見た目が9割、という俗流解釈が一人歩き
よく言われている『人は見た目が大切で言葉は7%しか伝わらない』的な話は『メラビアンの法則の俗流解釈』なんです。
この法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出されると言う解釈が有名になっている。就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでこの解釈がよく用いられる。ただしこの実験は「好意・反感などの態度や感情のコミュニケーション」において「メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った」場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」という事を言っているに過ぎない。よって単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には触れておらず、コミュニケーション全般においてこの法則が適用されると言うような解釈はメラビアン本人が提唱したものとは異なるものである。≪Wikipedia≫
「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」って。
メラビアンが『メラビアンの法則』を否定?
Wikipediaの外部リンクにもなっている『反社会学講座ブログ』の『メラビアンの法則をいまだに信じてる人たち』(パオロ・マッツァリーノ)には、こうあります。
『反社会学講座』で10年前に書きましたけど、メラビアンの法則なんてものはない、とメラビアン博士本人が認めてるんです。限定された状況での実験結果を日常のコミュニケーションに一般論としてあてはめるのはまちがいだといってるんです。≪『反社会学講座ブログ』(パオロ・マッツァリーノ)≫
ということで・・・
『メラビアンの法則 = 第一印象は見た目が9割』、という説はウソ!
です。
メラビアンの法則=第一印象は見た目が9割はウソ!動画で解説!、まとめ
・視覚と聴覚で9割判断するはメラビアンの法則ではない!
・俗流解釈が一人歩き
・メラビアンも否定している
これから…セミナーやブログで、この俗流解釈をしてる講師を見たら…( *´艸`)ってなっちゃいそうですね。